カササギ殺人事件
」のレビュー

カササギ殺人事件

アンソニー・ホロヴィッツ/山田蘭

ヨルガオ殺人事件を読んで

ネタバレ
2021年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何よりもまず、おもしろかった!カササギ殺人事件のときもそうだったけど、普段上下巻ものは読む前に尻込みしてしまうんだけど、長さが気になるひまもないくらい引き込まれて、次の展開が気になり過ぎる〜!
何を書いても全てがネタバレになりそうなほど、たくさんの伏線があって、後半は驚きの連続😄
一番の驚きはアンドレアスの登場かな(笑)そんなニチアサみたいなことある!?ってツッコミたかったけど、スーザンに明らかに迫りくる危機をより臨場感たっぷりに仕立てて、さらにその後に明かされる思わぬ事実の伏瀬にもなっていて効果的だなぁと納得させられた。
人間的には決して好人格ではなかったアランに死後も振り回されるスーザンだけど、編集という激務を長年こなして来ただけあって仕事が早い!!事件に関しては素人の部外者だけど、そんな彼女の割り切った仕事ぶりも読んでいて小気味よかった💻その仕事術を学びたい…
主人公が部外者でピュントのような名探偵じゃないというところも、フーダニットとして読者にフェアなのがこのシリーズのすごいところ。提示されている事実や手がかりが全てスーザンと読者で同じだから、純粋に犯人当てを楽しめる。もっともそれで犯人が当てられたことはないし、いつの間にか物語を追うのに夢中になってそれどころじゃなくなるんだけど。
ホーソーンシリーズとはまた違って、ややコミカルなのが読みやすくて良い。スーザンの短絡的な部分もあるけどパワフルで愛情深いところが、物語全体をそうさせているのかもしれない。
スーザンやその周りにある出来事や悩みなんかも、ハッピーだけじゃないしんどさもあるけど、皆それぞれ悩みながらも進んで行くしかないリアルな描写が生き生きしていた。本当におもしろかった!
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