春の蛇
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春の蛇

らうりー

余韻を楽しめる終わり方

ネタバレ
2021年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ のっけから犯罪臭。それがどこでどう機能するのか、少しのドキドキを抱えながら読む。推理小説では散見する手法だが、スリルがあって好ましい。それがまずひとつ目の煽り。
次に近親相かん。これは痛い。インモラルな過去がタバコというトリガーを置き土産に受けくんを蝕み続ける。これがふたつ目の煽り。
3つ目はセック ス依存症。言葉だけでも煽ってくるのに、男女構わず手当たり次第。ソコから抜け出せるかもしれない攻めとの関係を逆に切ってしまうのが救いようがない。
3本立てで受けを苛み、読者を煽り続けるが、罪を償う覚悟で攻めの前から姿を消す。
(なお罪状は殺人ではなく薬物販売幇助かと思われる)。

巻き込みたくないと書きながら手紙を出してしまった受けくん。5年間結婚せず、忘れられなかった攻めくん。
ラスト5ページは本当に胸熱だ。
表情が見えないからこそ胸がいっぱいになって余韻が消えない。後は読者のご想像のままに…という終わり方も粋な計らいである。
収監前に最後にした衝動的なセック スと、再開後にあったであろうソレとは全く別物だったんだろうな〜、まるで初めて繋がったみたいな感動と愛と羞恥が混ぜこぜで、涙と他の汁でぐちゃぐちゃになったんだろうなー、と妄想にいとまがない。
ただ受けの収監中、最初の一回以外は面会に行っていないようなのが不自然だった。

局部はホタル、ライトセーバー、スクリーントーン白枠、白塗り潰し、etc.(まるで修正のデパートや!)
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