貴公子の贄姫
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貴公子の贄姫

栢野すばる/Ciel

ソーニャですから

2021年10月8日
勧善懲悪なんか気にしない。と言う人には面白いと思います。
全員ぶっ壊れてて、ある意味清々しい(笑)。
ヒロインも序盤では道徳的に考えたり行動しようとしますが、気づいてしまうんです!自分は清廉な思考ではないと。
ヒーローは狂った親から産まれた自分は毒虫だと幼少期から認識していて、ヒロインの事以外には心を動かさないキャラ。
躊躇なくヒロインに害をなすものは排除。
後悔も苦悩もそこにはありません。そこにあるのはヒロインに捨てられたくないという感情のみ。
愛と執着と独占欲で成り立っているヒーローです。
ヒロインはヒーローを愛し赦し狂わせて、自分も狂って行く(気が変になるというのではなく)。
いやぁ、ソーニャって感じです。

普通の恋愛小説と思って読むと、は?と思う内容です。
歪んだ愛は美しい、というレーベルの話だと踏まえて読めば面白く読めます。
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