このレビューはネタバレを含みます▼
●以前からタイトルと表紙が時々目に留まっていたのですが、10/10までの40%OFFのクーポンが利用できたので、立読み分を見て購入を決めました。約170Pですから定価ではかなり高い気がします。内容はすごく好みでした。
●絵柄もストーリーもしっとりした雰囲気で、淡々とした中に梅雨独特の湿っぽさや気怠さが漂います。目線が色っぽい。電車で会うたびに少しずつ縮まる距離、名前も知らないまま身体を繋げ、そこから言葉を交わし、辻村も夏生も自分の中にひっそりと抱えてきた変態性(と敢えて書きます)をお互いに開放して、身体も心も寄せ合っていく。そのゆるりとした過程がなんとも言えず好き。
●辻村はえっちのときSっ気が出るのですが、それはもちろん辻村と実際にした人にしか知れるはずがなく、そのことが夏生と原澤(過去に辻村と因縁あり)とのやり取りに活かされてます。原澤は当て馬なんだけど健気なところがあって…私は嫌いになれませんでした。
●季節めぐり、秋になっても二人はしっとりとした空気に包まれていて、電車の中で痴漢プレイ…なんてことも楽しんでるかもしれません。依存状態にならなければいいな…と思うけど、お互いに心身とも相手に預けられる関係。幸せでいてほしい。