忘れられない恋をして【分冊版】
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忘れられない恋をして【分冊版】

もちぱむ

琥珀のように静かに煌めく珠玉の物語

ネタバレ
2021年10月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻で惹き込まれて6巻まで一気に読みました。バイトで働いているバー『Amber』の客、藤乃となんとなく関係を持ってしまった大学生の亮太(攻)。はじまりは本当になんとなくって感じだったのに、その後の展開が、人間関係が衝撃で…まさかそんな繋がりがあったなんて。
美人でどこか浮世離れした空気を纏う作家の藤乃さん。ビッ〇っぽい振る舞いの裏には、ずっと忘れられない「好きな人」の存在があった。それだけならよくある話かもしれないけれど、その相手が意外すぎて…。途中からなんとなく「まさか」「そうじゃないといいのに」とザワザワしながら恐る恐ると言った具合に読み進めて、それが確信に変わった瞬間読み手である自分もまた深い衝撃を受けていました。
絵の美しさ(琥珀を刷いた瞳の描写がたまらなく美!)、年下わんこ×黒髪美人という画の美味しさのみならず、深く切ない「想い」が溢れて愛しくてたまらない。Amber=琥珀の煌めきのようなこの作品に出会えて本当に良かった。ラブシーンの絡みは決して濃厚とは言えないけれど、こちらのようにストーリー自体に深みや奥行きのある上質な作品ならばそれも全く気にならないのだと気付かせてくれます(逆に言えば、Hシーンがあっさりで物足りない!となる作品は自分にとってはつまりそういう事なのかも…)。
互いの想いを確かめ合いながら、少しずつ歩んでゆく二人をこれからもずっと応援したいです。
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