このレビューはネタバレを含みます▼
西田ヒガシさんの作品は、初めて読みました。タイトルと表紙が素敵で購入したのですが、1回では理解できず、続けて2回読みました。これは出会えてよかった作品です。特殊能力はファンタジーのようであり、紛争地域では毎日が命の危険に晒されている場面は想像しかできないけれど、現実離れした話が綴られます。ジョンの『ハッピーエンドは死で終わるべきだ』のセリフは、刹那的で、でもジョンのこれまでの経験から至った強い思いなのかもしれない。現在のマエダとジョンは、マエダが見た夢のようであって欲しいけれど、あの夢の中でもジョンは「戦地には帰りたい」と言っている。マエダはそれでも一緒に連れて行ってくれればいいと。最後、ジョンは地雷を踏み、負傷して岩に挟まれ、マエダも投げたライフルが地雷に当たりふっ飛ばされた所はジョンが倒れている場所で、岩を浮かせてジョンを助け出す。マエダの不思議な力はジョンにしか作用しない事から考えて2人の意識がリンクしているように感じました。そして0話。ジョンは「生きろ」という幻聴を聞きますが、誰の声かはわからない。ジョンの切実な想い『ひとりよがりのがむしゃらさだけでなく』『俺に愛を教えてくれ』『じいさんに成り果てた俺に愛を』教えてくれるのがマエダなのかな。1話の指名手配?の貼り紙の男は0話のジョンですよね。最後のページ、ジョンが呼び掛けられた気がして振り向く時の鏡…‼
色々解釈出来て、深い、濃いです。…また読み返してきます。