文学処女
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文学処女

中野まや花

恋愛処女と文学エキスパート。

2021年10月15日
一つ、又、大好きだった作品が 完結しました。この作品、いろんな要素、たっぷりで 美味しいお出汁が いっぱい出ている美味しい汁物のような作品になっていました。まず、月白、望月、七星、真昼、有明、暁里、もう ほんと、”光” ”明るさ”をイメージする名前ばかりで、ちょっと辛くて切ない恋模様が描かれてあるけれど、小説作家先生に関しては乗り越えなきゃいけない辛い過去がある。だけど、こんなに明るい光に照らされてたら、いつか、辛い心は 浄化されて、まぁ、なんとかなるでしょう、って気がしてきました。それに、恋模様を繰り広げる面々は みんな ”月”が名前に入っていて、小説作家の名前さえ、新月を意味する”朔”。そして、彼に亡き恋人の名前が ”千夜香”。もう どんなに みんな 繋がってるのよーって思いました。月、は、自分にとって連想するものは、夏目漱石の”月が綺麗ですね。” 恋愛を想像させます。現に、小説家先生は ずっと 月を嫌っていたし(恐れていたし)。恋愛に臆病になっていた彼を救うのが、月白。月が昇っていく青く輝く空のことを指します。もう そこで 良い恋愛の予感しかない。名前のことだけで ほんと こんなに考えて描かれてあったのか、と 中野先生にレスペクトしかないです。そして、小説家先生が 月白への気持ちを自覚した後、すぐに 二人が くっつかなかったところが ほんと よくて、最後まで 月白が 編集者として、頑張っている姿が見れて、もう ほんと 文学エキスパートだなって思いました、微笑。この作品、家族愛に恋愛、そして、友情、仕事愛など いろんな”愛”も綴られて、それを なぞりながら 読んでみるのも面白いかもしれません。
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