このレビューはネタバレを含みます▼
読み放題にて。紙の本?掲載誌?で読んだきりの漫画ばかりでなつかしかった!ロードムービーを1本鑑賞しきったような読み応えのある読み切り&短期連載。
どれも刹那的でエモくて私のBLの原点はこの儚さと切なさに魅了されたからでした。
中でも「何処へも帰らない」が大好きで大好きで雑誌を切り抜いて取っておいたのを思い出しました。
傷心の小説家と白痴の少年が掃き溜めのような暮らしから、手を取り合い支え合うように逃げ出す希望のあるラストは、きらびやかな青春も送れず生活のために進学を諦め就職し家族を支えていた19歳の私の魂の救済でした。
大人になり、それなりに恋をして家庭を持ち平穏に暮らしている今、もっぱらライトで可愛らしいものばかり息抜きに読んでいますが、語シスコさんの本を開くといつでもあのせわしなく多感で自分が世界の主人公だと思い込んでいた日々に心が戻るような錯覚を覚えます。
生き続けることも歳をとることも幸せに思える今の自分は好きだし20に戻りたいわけでも無いけど初見のときめきと衝撃をもう一度かみしめたい。それくらいこの本には思い入れがありますね。
何を言いたいかと言うと「語シスコは若いうちに読んどけ」です。
リアルで人には薦めにくい(特に我が子には笑)けど人生の教科書です。