世界から猫が消えたなら
」のレビュー

世界から猫が消えたなら

川村元気

一期一会

ネタバレ
2021年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「土曜日 世界から僕が消えたなら」の章を読み始めたあたりから、鼻の奥がツーンとして辛かったです。突如余命宣告をされた主人公の「僕」は最後の最後に大切な人や、かけがえのないものに気付くことができました。悪魔との取引で世界から猫、つまりは愛猫「キャベツ」を消し去る選択をせず、自分が消える選択をした主人公。命の灯火がまさに消えようとしているその日、日曜日。ボタンの掛け違いで疎遠になってしまった「父さん」に「会って、ごめんって言って、ありがとうって言って、さようならを言いたかった」ことは果たせたのでしょうか。それが叶ったエンドであったことを願わずにはいられません。そうであってほしい。本作を読んで、当たり前の日常を考え直すきっかけを頂きました。そして無性に映画を観たくなりました。
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