神々の山嶺
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神々の山嶺

夢枕獏/谷口ジロー

自然の壮大さと、人間の偉大さ

2021年10月22日
世界最高峰、エヴェレストの無酸素単独踏破に挑む孤高のクライマーと、彼を追うジャーナリストの物語。

登山というマイナージャンル(失礼)なので興味が薄かったが、読んでみたら凄まじかった。山に人生を懸ける人間の、執念と情熱を熱く描く。
ヒマラヤの広大さをすぐ近くに感じられる、自然描画の細やかさがリアルでいい。ぶっきらぼうで配慮に欠けたメインキャラクターの羽生丈二は、あまり好まれる人間じゃないだろうけど、逆にそれが人間味を感じさせる。だって人は不完全な生き物だもの・・・。

人間の不器用さと意志の力を描く人間讃歌。もう一踏ん張り頑張りたい人に。
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