氷が溶けるのを待ってる
」のレビュー

氷が溶けるのを待ってる

上田にく

優しいお話が3本

ネタバレ
2021年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●ほぼ表紙買いでした。短編集だということもよく調べず。本編の絵柄も表紙とは印象が違いましたが…。ストーリーはやや軽めの優しく温かいお話×3。それぞれに番外編付き。
●1本目。三ツ谷の好奇心から始まった斉藤との関係だけど、三ツ谷の気持ちが「知りたい」から「特別でいたい」へ変わっていくのが丁寧に描かれていて良かったです。対する斉藤は及び腰だけど、結局は真っ直ぐ向かってくる三ツ谷に背中を押された形。ちなみにそんな斉藤が攻です。
●2本目。不幸が重なって生きてるのもしんどくなってた只野はホームで喜多見に声をかけられる。「死ぬくらいなら付き合って」とあちこち連れ回されて…。実は喜多見も寂しさを抱えていて、それに涙で共感できる只野が優しい。まだお互い知り合っただけで、これからの二人です。
●3本目。大学生の直が、道端に一人座っていた小学生に声をかけたら幽霊で、しばらく一緒に過ごすことになる…というお話。前後編でしたが、もう少し深掘りしてほしかった。撒かれた伏線(?)が回収されてないというか…ちょっと「?」が残ってます。将太はかわいいしかっこいいんですけど!小学生なのにヒーロー。番外編では将太×直が読みたかったな…
●表紙のイメージとは違いましたが、優しくて、さらりと読める短編集でした。
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