この愛喰らいやがれください!【電子限定描き下ろし付き】
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この愛喰らいやがれください!【電子限定描き下ろし付き】

七升こあめ

しっかり内容のある大人な作品

ネタバレ
2021年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ コンプレックス~を読ませていてただいてて、お話しがとてもお上手な作者様なので、迷わず購入。この作者様のお話しの匙加減がすごく好きです。合ってます。私はBL漫画の世界に、過度な痛さや暗さや闇は求めてないので、明るく可愛いお話しで癒されたいほうですが、この方の作品は人の弱さや本質を上手く表現されていて、そこをとても上手に救ってあげてます。若い頃の孤独は、まだそれを楽しめる余裕もあるし、逆にこの攻めみたいに、誰かと本気で関わろうとすると覚悟を決めないといけないので、あと腐れない関係のほうが楽だと思えてしまう。でも年を重ねての孤独は、心と身体の余裕がなくなってくる。ましてや誰かといることの温もりを知ってしまっていると、そこから突き放された孤独は計り知れないかと。でも、受けは大人で良識もあるから、攻めを自分の都合で振り回してる罪悪感が拭えない。娘が1番。そうだよね。攻めは子供もいないし若いけど、ちゃんと受けの立場に立って、相手を思って行動することができる人だったから、そんな受けを受け入れてあげた。生い立ちからかクズな生き方してきてたけど、人を好きになること、相手を認めて許すこと(←これって結構ハードル高い)、ちゃんと心から謝罪できること、当たり前のことのようで、そんな容易にできることじゃない。なんか、そんな深~いところも垣間見れたお話しでした。受けが50オーバーのおじさまだけど、紳士的なとこと我欲をさらけ出してるギャップが人間味があってよかったし、攻めも男前でかっこよかった。ただBLだけじゃない、内容のしっかりあるいい作品だと思います。
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