夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む
」のレビュー

夏の終わりの夕凪に 吐息は熱を孕む

西條六花/架月七瀬

名作だとは思う

ネタバレ
2021年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様が、物凄く下調べをする方だし、情景を描くのが上手で、叙情的ですらある。
染織に対する表現は秀逸だし、田舎の風景も土や木々の薫りが感じられる。
訳ありの男女が(主に彼女の方だけど)、出会って、わだかまりから何度も後退りして、それでも両想いになっていくゆっくりな展開も良かった。
皆さんが星5つにするのも解る秀作だったけど。
私は、この彼女が好きにはなれなかった。
自分自身が、不倫こそ最大の嫌悪すべき行為だと思っているタチなので、まずそこから駄目。
そこで反省したのならまだしも、その上に色んな男と付き合って来たというのが、更に止めを刺して駄目。
あと、文章は上手な作家さんなんだけど、基本的に男性作家的なガツガツ来る文体が好きなので、こういうノスタルジックな文章は、私には怠かったかな。
でも、普通はそれが素敵!ってなるとは思うので、これはあくまでも私個人の感覚で、かなり偏ってます(笑)
ほとんどの人が感動する名作だとは思う。
飴屋さんは、本当に我慢強くて素敵でした!
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