短いけどよく纏まってて良い作品

適度にエッチもあり、でも記憶喪失になったことで記憶の足取りを追っていくことで、記憶喪失になる前のヒロインと夫の関係性も洗い出し結果膿出し作業になっていく点。とても良く書けている(描けている)作品だと思いました。そして切ない。お互いを思うあまり必要な対話を避けて、両片想いで結婚してしまってどんどん気持ちの歪にヒロインは苦しんで、夫はそれに気づかずにきていたんだろう。そんな中での事故による5年間分の記憶喪失。怪我の功名というかこの5年間の記憶喪失がなければもっとヒロインは辛い思いをしててこの結婚生活も上辺だけに感じて終焉を迎えるか、それこそ辛い思いをするくらいなら無関心になるほうが自分がラクとなってお互い気持ちがすれ違ったり浮気や不倫になってたかもしれない。だからちゃんと不安なことでも二人で気持ちを伝えること、小さな綻びは小さいうちに修正することの大切さをこの記憶喪失のおかげで学んでやっと本当の結婚生活を始めることが出来た。そんな作品に思えました。上手い終わらせ方だったので変な形の続編や引き延ばしをするくらいならこれで完結としてるほうが潔くて良いと思いました。部分的に記憶喪失というか記憶障害というのか、日常生活は問題ないのに部分的な記憶の欠落というのは実際にあることだそうです。