このレビューはネタバレを含みます▼
●表題作は、高校時代の本編が3話、高校卒業後の進路を題材にしたお話が1話、描き下ろしは五十嵐が留学中の、電子特典は帰国後の一場面。(いきなり本編後の展開バラしてすみません…)ストーリーも纏まってて、描き下ろしも良くて、満足です!絵柄も綺麗で、お顔や身体のラインも良いし、「音」の表現も好きでした。
●五十嵐は実は三条のことずっと好きで、音楽を共有できたことも身体を繋げられたことも多分嬉しかったんだけど、「身体目的か?物珍しかっただけか?!」ってだんだんつらくなっちゃって、三条を拒絶してしまう。
●三条は、五十嵐に拒絶されて、自分が初めて本気で恋してたことに気付く。これまでテキトーに遊んできた三条が、「また拒絶されたら怖いな」なんて真剣に悩んじゃう姿が愛おしいです。ちゃんと話そうって踏ん切りつけてからは素直で、好きって堂々と言っちゃうし、言わせたがるし、真っ直ぐできゅんとする。
●進路の話。二人の関係が終わってしまうのを恐れて、五十嵐が三条に留学のことを言い出せない思い、すごく分かる。現地行ってから言うなんてズルいけど、「見損なわないで」って受け止めた三条は男前でした。(そして留学中のちょっとえっちなエピソード(描き下ろし)へ…)
●同時収録の短編は、愛を知らずに痛みを欲しがってしまう歩夢が、大作に大事にされていくお話ですが、大作の方もあまり愛された経験がなくて、お互いにスキマを埋め合う…みたいなところがあります。でも展開は暖かくて、ほっとできるようなエンディングでした。
●全体的にきゅんとできる1冊でした。思いのほかえっちでしたし。良かった!