このレビューはネタバレを含みます▼
この漫画は時々2話まで無料公開されます。タイミングが合えばぜひ。そして2話まで読んでグロテスクさに耐えきれなかった方はこの先読むのはやめましょう。もっと凄惨な展開が待っていますのでね。ここから最新28話までのレビューです。このお話は、肉体的にはとても猟奇的ですが、その先にある精神的な部分が深く心に刺さりました。誰かを痛めつけて自分を救ってきた男と、自分を嘘で飾って人々の輪に加わって生きてきた女の人生が重なり、ほの暗いゴミ屋敷の一室でお互いを痛めつけ合い救いあう、共依存のお話です。とても悲しく痛くて、絶対幸せになれない。だからこそ綺麗で人の心を打つのだと思います。この「けだものたちの時間」を読んで私は、幸せには生まれながらの海抜があると思いました。自分が育った幸せの位置から遠く離れようとすれば酸素の濃さ薄さ、気圧、温度がまるで違ってきますよね。そんな場所で生きることが果たして幸せと言えるのでしょうか。あいりやヒロくんは、冷たい暗い海で沈黙していた時が1番の幸せだったのではないでしょうか。これから話がどう転がるかは分からないけど、ゆうくんではなくヒロくんと、どうにか幸せに暮らして欲しいと切に祈ります。2巻まで読めた人は読みましょう！
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