春雷と蜜(分冊版)
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春雷と蜜(分冊版)

劣情

ページを繰る手が止まらなかった

ネタバレ
2021年11月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●雰囲気マンガ…と言えばそうかもしれません。でも、画面に魅了され、ぐいぐい引き込まれました。キャラクター、島と街の空気感、青柳とユエンの醸し出す薫り立つような雰囲気など…とても魅力的で、二人はどうなってしまうのだろうか、と祈るような気持ちで読み進めました。
●青柳がヤンその人であることは、読者には早々に分かります(というかどう見ても…ですが)。二人の気持ちが表情で、セリフで、あるいはモノローグで語られるので、二人が逢瀬を重ねるたびに胸がいっぱいになる。
●残酷な出来事で離れ離れになった二人。ヤンはユエンの幸せだけを願っていて、闇社会に落ちた自分はもう必要ないはずだったのに、ユエンと接するうちに、そばに在りたいと思うようになってしまった。時折見せる心の声がかわいい。
●ユエンはずっとヤンを待っていて、でも自分は幸せになってはいけないと思ってる。だから男娼の仕事をしてたんじゃないかな。自分は汚れたものだと思っているから。でも優しい青柳に惹かれて…ユエンがヤンではなく、青柳を青柳として求めたシーンが印象的でした。
●終盤でヤンが撃たれたシーンは某漫画を彷彿とさせ、ヒュッと息が詰まってしまった…。なかなか目覚めないヤンの病室で、過去に施設で起こったあの出来事と同じような場面が繰り返される。ヤンはあのときと同じく、ユエンを守るために起き上がる…
●子どもたちと四人で家族に…幸せなエンディング。これからは優しい時間を紡いでいってほしい。ずいぶん前に単話で購入したのですが、今さら単行本の描き下ろしが気になってます…悩ましい!(→結局買いました笑)
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