このレビューはネタバレを含みます▼
高校の時に仲良くなった一ノ瀬と吉野。
吉野が身内の都合で外国に行く事になり、本当は一緒の大学に通うことになっていたが事情が事情なので仕方ないなと、吉野を送り出そうとしたら、落ち着いて帰国出来たら聞いて欲しいことがあるという吉野に、一ノ瀬はいいよと告げたが、ある出来事をきっかけに連絡を絶った一ノ瀬。
8年後、同窓会で再会した二人だけど、一ノ瀬はどこか浮かない顔をしていて、気になる吉野。
聞いて欲しいことを一ノ瀬に言おうとしたら、一ノ瀬に逃げられてしまった吉野は困惑して・・・。
一ノ瀬はある出来事で深い傷を負い、精神的にも荒れ果ててしまって自暴自棄になっていた。
それを知って、吉野は悔し涙を流す。一ノ瀬が辛い時に支えられることが出来ないでいたことを悔い、一ノ瀬を高校の時から好きだったことを告げる。
もし、側にいても辛いなら諦めるから、一ノ瀬がこの恋心を終わらせてくれという吉野に、一ノ瀬は好きだから一緒にいたいと思いを返してくれて。
この二人の恋心は高校の時から少しずつだけど、あったんだなと思いました。
吉野は本当に一ノ瀬の事が好きだったから8年経っても諦められないし、一ノ瀬は高校の時の二人の大事な思い出と気持ちを終わらせてしまったら、自分が壊れてしまうのを知っているし、一ノ瀬も吉野が大事で好きだったから諦めたくないと告げたあの時の表情がたまらなかったです。
思わず泣いてしまいました。
こんなにも好きになれる人がいるって、凄く素敵な事だと思います。
好きな人がいるから、その人の隣に立っても恥ずかしくない人になろうとする姿に、あぁその人の事を本当に大切に思い、努力してその人の隣に立ちその人を支えたい、好きだと告げたいという思いがひしひしと伝わってきました。
お互いにお互いを支えたいと思う気持ちが読んでいて凄く伝わってきました。
丁寧な心理描写を描かれる作者さんに、好きだなぁと思いました。