このレビューはネタバレを含みます▼
酸いも甘いも噛み分けた百戦錬磨のママと天然ピュアなパパとのゆっくり進む恋のお話。
初心なパパなんて簡単に物に出来そうな恋の手練れのママが、決して強引に攻めることをせず、娘や亡き妻を大切に思う心に自然に寄り添っていくのがとても素敵でした。
全てを委ねて甘えても、全部包んで愛してくれるようなママの大人の愛し方がすごくいい。深く優しく、それでも押すべき時にはしっかり押すところにも痺れました。
甘い恋愛というよりは家族愛。これからの人生を幸せに生きるためのパートナーという意味合いが強いかなと思います。でもそれがパパと万葉ちゃんには必要だったんだろうし、そこを埋めてあげられるママが最高の相手だったんだなと感じました。
恋や愛はもういいかなと思っていた2人の人生が、もう一度豊かで愛に満ちたものになって、ものすごく幸せな気持ちになりました。特に十数年後の後日談が素敵です。
お洒落な恋の駆け引きのお話かと思ったら、読後じんわりと心が温かくなるとても素敵な作品でした。