このレビューはネタバレを含みます▼
★地味で友達もいないシバ×柴の一つ先輩・秋山くんの高校生ストーリー。
★入学してすぐ、トイレでカツアゲされていたところを秋山くんに助けてもらったシバは秋山くんに一目惚れ。秋山くんに「愛してる」と伝えて認識してもらおうなんて、俺のバカバカバカ…秋山くんにこんなことさせてごめんなさい…。
★「面白ければなんでもあり」な始まりは、子どもの純粋無垢な残酷さの表れですね。そういう分別が付きにくい年代、特に野放しな環境の子どもたちの様子がリアルだな、と思います。それが、この作品の良さの一つかな、と私は思います。「面白ければ…」な未熟な高校生たちの戸惑いは、「自分とは違う」から生じます。その戸惑いの後、どうするか。拒否反応を起こし、関わらないようにしたのが秋山くんの友達3人。自分たちの手中に収まらないことは面白くなくて、怖い。シバに興味を惹かれて近づいた秋山くん。2週間じっくり考えているところが、「秋山くん」だなぁと読み返して、そう思いました。1巻冒頭は、読者の振り落としのような印象です。(作者様にはその意図はないと思いますが)この先の秋山くんとシバに興味を惹かれたら、その後の信じられないくらいの幸福を共有できるタイプのお話ですね。秋山くんだけ見ていたシバが秋山くんと一緒に成長し、将来のことなど考えてなかった秋山くんがシバとの未来のために動きます。そして、2人の関係に触れて変化していくともみたち。素晴らしいラストに向けてのエピソードの数々でした。と言っても、固い話ではなく、笑えますね。エッチですし。癖満載ですし笑。チーカマ然り。ともみちゃん然り。「痛み」もありますが、「手当て」の温もりもちゃんとあって、かさぶたをはがしたくなるジレンマと傷が治ったときの嬉しさと、傷跡に懐かしさを覚えるような、そんな過程を楽しみました。
★どの巻も表題作に番外編が含まれ(192,177,214,194ページ)、とても面白かったです。
★BLにおける「カレー」は、もはやアイコンの一つだな、と思いました。可愛くて愛おしくて、おいしい「秋山くん」でした。