夜明けにふる、
」のレビュー

夜明けにふる、

ハヤカワノジコ

『夜空』から『夜明け』へ

ネタバレ
2021年11月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●『夜空の〜』必読です。読んでいないと多分全く入り込めないのではないかと…スピンオフではなく続編と言っていいと思います。主役CPは『夜空』では昭弘と星野、『夜明け』では翔太と大樹ですが、『夜明け』のメインキャラは全て『夜空』に出てきます。みんな、あの過去があって、今がある。
●翔太はずっと星野を見ていて、大樹はそんな翔太をずっと見ていて…。翔太は自分の想いは報われないって多分分かってる。でも好き。昭弘への意地もあったかもしれない。大樹も、自分の想いは報われないと思ってた。なのに星野のことで涙する翔太を見て…
●大樹が諦めずに、ただ真摯に、少し強引に、翔太に想いを告げてくれてよかった。最後の翔太から大樹への「好き」は、少し早かったかもしれないなぁ…ようやく大樹の言う「好き」を実感できたところだと思うので。この二人はまだまだこれから。
●翔太と大樹と星野、翔太と昭弘と星野、大森さん、亡き母、おおかあさん、大樹の家族…人物同士の絡み合いが、オムニバスのように次々と語られるのも魅力。見ようによっては“雑多”と見えてしまうかもしれませんが、そうやって絡んでいるからこそいろんな想いが生まれてすれ違ったり分かり合えたりして、皆前に進んでいくのかなと。昭弘も、翔太の父親として、星野の恋人として、前進しているのが良かったです。
●独特の、音や湿度を感じる画面、繰り返される言葉、時間軸を前後しながらゆっくり進むお話が好きでした。みんな幸せになってほしい。
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