このレビューはネタバレを含みます▼
購入した時の期待以上、とても気に入りました。
ちょっと感情移入しにくいキャラを、上手く描き込んでいるなぁという印象です。生真面目なリーマン塩田さんとフリーターの柳瀬さん、ノンケ二人のストーリーなんですが、そこに絡む柳瀬さんの女友達。こちらがかなりの曲者で。でも、結果として彼女が二人を結びつけるんですよね、最初から。
愛想なくっても、真面目で善良な塩田さん、損してるのかもしれませんが、すごく共感します。受けの柳瀬さんは、最初は掴み所が無い風です。女友達のせいで彼女に振られ、すぐに塩田さんを好きになり、グイグイ迫る。人によっては引くかも。すぐ泣くし、優しいようでがんこさもあり、良くも悪くも自分の感情に素直に見えます。塩田さんと触れ合う中で、段々とこういう思考なのかと分かってきます。その柳瀬さんと女友達の関係性が頭で整理出来ても、感情で理解しがたいものでした。複雑な家庭環境を抱えている女友達を切る事が出来ない柳瀬さん、そこに下心丸出しで付け入る女友達。同性に嫌われる怖いタイプ。友達とは言え女子を普通に部屋に泊める柳瀬さんが、元カノに振られるのは当然で、それで泣くのはおかしいでしょ?と、元カノ立場でモヤモヤもしました。その柳瀬さんですが、塩田さんのために女友達を切れます。そこからのスッキリした柳瀬さんは好きです。
近くなっても敬語の二人、しっかり話し合ってます。その雰囲気がとてもいいです。