このレビューはネタバレを含みます▼
●多少レビューは拝見しましたが、ほぼ表紙買いでした。淡い、やわらか、キラキラ、ひんやり、優しい、しっとり…そんな表紙のイメージを、ぎゅっと詰め込んだような作品です。
●手負いの猫のような晴真。喋らないし笑わないし生活力ないし。でもそうなってしまった背景があって、晴真は過去から積み重なったかなしさを抱えてる。夜空は放っておけない。でも夜空も夜空でかなしさを抱えてる。就活、不採用通知、バイト先の上司…。二人とも、「自分は誰からも必要とされない？」って思ってる。
●夜空と晴真がお互いに惹かれつつ、少しずつ心のかなしさを癒していく過程が丁寧に描かれていて、ものすごく感情移入できます。「笑顔」の使い方が上手。イライラして笑顔の減る夜空。晴真はそれを自分のせいだと感じてしまう。全然笑わない晴真が時折見せる笑顔。夜空はそれをもっと見たいと思う。
●お互いゲイであることが分かるエピソードは、晴真の傷を深くえぐるものだったけど、そのぶん夜空の優しさが沁み渡る。帰宅後の身体の触れ合いはもう…「いとしい」が溢れていて、本当にきゅんきゅんします。初えっちは描き下ろしにて。こちらももう…！
●すごく好きな作品になりました。難点といえば、こちらの作品が私の中の作者さんの基準になってしまって、他作品に対して辛口になってしまうところでしょうか…。カバー下もかわいかったです。
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