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ヤマシタトモコ

女という生き物は

2021年11月25日
作者様買いではありますが、フォロー様の紹介して下さった印象深い言葉が掲載されている作品でもあったので購入しました。
うーん…なかなかリアルにシビアな女性たちの本音が描かれたオムニバス6篇です。これを読むには年をとり過ぎたのか、10代、20代の頃に読んでいたならば、違った印象を持つのだろうか?と思いました。
ヒリヒリとした心の声だとか、自分を守る為にトゲを出してる薔薇のような女の本音。オンナって怖い…そう簡単なものじゃない。自分の中にもあるトゲは、自分をチクチク刺しているかもしれない。この作品を男性目線で見たら、どんな印象を持つでしょうか。オンナは怖い?率直な言葉が聞きたいものですね。
白髪の女性写真家と女子高生の交流した話が印象的でした。普通からはみ出さないように、個性を殺してみんなと一緒は安心出来るけど、何を持って普通とするのか…それぞれの価値観や基準は違うし、良いも悪いも、終わりもなにもそれは自分で決める事。あの時、ああしてれば良かったと、大事なものを見間違わないようにいたいものです。
フォロー様が紹介して下さった作品中の言葉がこれです。『誰がとなりにいても、孤独じゃなくなる日は来ない。永遠に孤独だけど、孤独なのは自分だけじゃないし、繋がらずに生きては行けないから終われない。それは世界の決まりなの。』この言葉に安堵する人がいらっしゃるかと思います。ふと寂しさに襲われた時、私はこの言葉を思い出すかもしれません。
他にも気になる言葉が綴られています。『娘に訪れるすべての幸福も災厄も、母親に由来する』確かにそういう部分もあるけれど、人生の大半は、自分で選んだ結果であって、その自分の人生の責任は、誰のせいでもなく自分にあると思います。
色々と考えさせられる深い深い作品でした。
最後に、もひとつ名言を。『女は醜くて、男は愚かだ。』だから愛さずにはいられない。良き。

最後のカップルが良かった。三回に一回は拒否られてもめげるな彼氏!彼女を好きで仕方ないように、彼女もきっと好きで仕方ないはずだから。

ヤマシタ作品のボーナストラックで和んで救われます。

*ume坊や様のご紹介に感謝、感謝です(ToT)自分を振り返る良い機会となりました。ありがとうございました。
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