このレビューはネタバレを含みます▼
大学の夏休み、子供の頃に住んでいた山奥の大犬村にやってきた廉太郎。昔のことはほとんど覚えていない廉太郎が出会った神出鬼没な志狼、隣の集落の三味、そして人を攫うという山犬の伝説。廉太郎がさっぱりドライな性格で、いかにも要領のいい現代っ子で爽快。でもその根底に暗いものを抱えていて、この村に来たことにもちゃんと理由があって、明るいだけじゃない廉太郎の素顔が人間臭くてよかった。山犬の正体や事の真相など、知らない方が楽しめると思うので、ネタバレなしで読むのをおすすめ。ほんのり寂しさが残る部分もあるけど、ちゃんと恋愛的にもハッピーエンドです。廉太郎のメンタルが鋼でほんと大物!