ワンダーフォーゲル【SS付き電子限定版】
」のレビュー

ワンダーフォーゲル【SS付き電子限定版】

草間さかえ

表題作とその前日譚、謎めいた2本立て

ネタバレ
2021年11月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表題作の前に前日譚的な中編が載っている2本立て。他の方のレビューにある通り、確かに難しい。先が気になってグイグイ読めて面白かったけど疲れたー。無粋かもだけど解説が聞きたい。
「みえない友達」
元引きこもり同士の幸四郎×沖津。幼い頃の幸四郎の友達、他の誰も覚えていない「ゆうと」について。どういうこと??と頭を捻らせながら、なんとか理解しようと没頭して読みました。全部読んだらなるほどと思えるけど、やっぱり難解。幸四郎はどうして分かったんだろう。確実にいるのに出てこない板東がまさに見えない友達で面白いな。南の柔軟性もすごい!
「ワンダーフォーゲル」
閉所恐怖症の沖津(稜)×小説家の伊武。沖縄で野営しながら働いている稜は、嵐の夜に広くて静かな伊武の家に世話になることに。考えていることが読めるのかと思ったら、心が読めるのか。本当なのか妄想なのか、半信半疑ながら伊武自身を信じた稜の迷いなさがかっこよかった。伊武の力もまた細部が難しいな…。続編でもう少し理解が深まればいいな。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!