このレビューはネタバレを含みます▼
作家さん買いです。高校卒業の日、感極まって颯に告白した隆史。ポロポロ涙する隆史に颯が「俺より好きなヤツができるまでお前の誕生日にデートしてやる」と優しく言う。颯が咄嗟に口から出た提案だろうが、これは優しいのか残酷なのか、その気がないならスパッと諦めさせてくれた方が良いよねwまあ颯は隆史との友情を終わりにしたくないという気持ちがあったんだろう。隆史にとっては年1回心から待ち遠しい日が誕生日なんてステキなことだけどねw10年を区切りに終わりにしようと決めた隆史と、自身の中で隆史の存在が大きくなっていたことに気付く颯。隆史の可愛さに浸ってたら、突然颯がノンケならではの不器用な可愛さを溢れさせて心揺さぶられたw颯が偶然会った知人に無防備にカムアウトするのを止めたり隆史は泣き虫の可愛いゲイから大人で世間体も考慮できる頼もしい大人になってた。部活の集まりでカムアウトしたら皆、隆史のことを知ってたのもグッときた。共に汗を流し青春を過ごした仲間だからわかってても誰も口にしなかったんだろう、優しさが胸に響く。10年、颯が隆史を受け入れるために必要な時間だったのだろう。二人の心情が丁寧に描かれていてほっこり優しい気分にさせてくれる1冊。