このレビューはネタバレを含みます▼
前から気になっていた作品。出版社クーポンでようやく読みましたが思った以上に打ちのめされました。
ただ悲しいだけじゃなくて、死によって前向きに生を見つめ直す、心に染みる話なのですが、響き過ぎて胸が痛かった…。
2人の間でだけ形になった恋心が、たまらなく切なかったんです。幸せだけど悲しい。もう最後まで涙が止まらなかった。
ずっとニコニコしてる秀斗の胸内を思うともう切なくて切なくて。好きな子が本来持っている輝きを取り戻して前向きに生き始めたのを見て心は晴れ晴れしてるとは思うけど、ずっと一緒にいられたらどんなに良かったか。
こうなってしまったからこそ距離が近付いたんだろうし、今まで知らなかったことに気付けたんだと思う。だから意味があったことなのだと思うけど、起こってしまったことは変わらない非情さが辛かった。
ただ秀斗は幽玄に大きなものを残してくれた。
それを胸にこれから生きていく幽玄に希望が見えて、読後は清々しいような爽やかさを感じさせてくれました。
温かくて優しくって、日々生きるのに大切なことを教えてくれる心揺さぶるストーリー。BL部分を除いたら教科書に載せて子ども達に読ませたいような、本当にいい作品でした。