このレビューはネタバレを含みます▼
●立読みで無理そうだなと思われたら、この画面があと百何十ページ続くことを想像してみられるとよいかなと思います。私は“絵師”としての作者さんは存じ上げませんでしたが、「この画面をもっと見てみたい」と思ったので購入してみました。好きです。意外にもえっちの描写ががっつりでした。トーン処理で画面から浮くかと思いきやそうでもなく。
●兄・修を亡くした弟・景が、兄の友人だと思っていた秋成が実は恋人だったと知り、秋成への恋心を自覚してしまう。兄弟仲は良くなかったようで(詳しく描かれてないので分からないけど、兄による牽制だった?深読みしすぎかな)、自覚してからの景は亡き兄に遠慮もなく秋成に対して結構ぐいぐい。
●秋成はもしかしたら、死んでしまった修からもう心が離れていたのかもしれない…無自覚に。(末期の修のことを秋成が語っている内容はなかなか辛かった。)景に言い寄られて心が揺れる自分に、最初は戸惑ってるように見えました。
●人物の顔はわりと淡白な線で描かれていますが、それでも表情は結構豊か。秋成のズルさやヘタレ具合、景の子どもっぽさの中にある雄の感じ。秋成は景が思ってたほど大人じゃなく、逆に景も秋成が思ってたほど子どもじゃない。少しずつ正体がバレて、近付いてく。ラストは…母親の言葉で修の死を昇華させたのだろうか…
●描き下ろし特典はラストのモノクロイラスト1枚なのかなぁ…だとすれば、もっと本気のヤツが見たかったかも。もちろん特典なので描いて下さったことに感謝すべきなのですが。贅沢ですね。