【完全版】義兄/なりかわり
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【完全版】義兄/なりかわり

丸木文華/笠井あゆみ

異常な人たちの物語

2021年12月8日
いやぁ、救いも何もない歪んだ話でした。
まず義兄の方は、愛された記憶がない義兄が、ある日突然出来た義妹を恋愛という概念を無視して独占し執着していく話でした。
ところ、どころ狂った盲執のなかに愛があります。
自分以外の男に嫉妬したり、本当は自分の嫁にしたい、など態度と言葉に出ていますが義妹の方は気づかない。
これは双方の感情の幼さ故に捻れ歪み狂っている。
恋した相手は純情な青年でしたが、ある意味逃げ道に過ぎなかったのかなと思います。
最後も救いがないエンド。義兄からは逃げられないんです。
そして番外編は、その後かと期待したらまさかの少年期の義兄の話で残念でした(笑)。
続いて、なりかわりの方は、見事なタイトル。そうきたか!という感じです。
ヒロインもヒーローも滅茶苦茶です。どっちも嫌いなタイプではありましたが、こちらも義兄と義妹設定。
いや、もうヒロインの男だったときのヒーローへの仕打ちは外道。
女に戻ってからの態度もひどい(笑)。
ヒーローの方も、いっちゃってるんで突き抜けた歪みっぷりに途中で笑いが出ちゃいました。
こちらも、義兄からは逃げられないんです。
こちらのヒーローは間違いなくヒロインを愛してます。
二作品ともに救いも何もない話ですが、ヒーローsideで考えればハッピーエンドです。
いずれにしても、愛し愛され的な要素は皆無ですので読後感は良くないと思います。
うーん、嫌いじゃないです。
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