悪役令嬢の中の人
」のレビュー

悪役令嬢の中の人

まきぶろ/紫真依

ありそうでなかった発想がgood

ネタバレ
2021年12月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 転生ものにありがちな「元の人格はどこに行ったんだ問題」の切り口として非常に斬新でした。自分の体に入ってしまった女性から愛を学び、「エミのレミリア(聖女)」として幸せになることを自ら選んではいるものの、「わたくし」の人格には本来の残虐な部分を残していてバランスが取れていたと思います。自ら手を下さず周りの忖度でピナを生き地獄に落としたところで「あ、悪役令嬢〜〜〜!!!」と叫んでしまいました。後書きのぶっちゃけ具合と合わせて筆者さんが癖に正直な方で良かったです。
ピナの処遇は人によってはやり過ぎとか胸糞とか感じるかもしれませんが私は好きです。

気になったのは2点。アンヘルをトロフィーワイフ的に扱っているように感じたことと、視点の切り替わりが分かりにくい部分です。アンヘルに関しては、エピローグやおまけ部分でレミリアが彼を愛せると感じたり、実際に愛を育んだ描写があったので許容範囲でした。文章も自分の脳内で改行を挟めば済むレベルで大きな破綻はなかったので、合わせて星マイナス1しています。
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