烏に単は似合わない
」のレビュー

烏に単は似合わない

阿部智里/松崎夏未

読み手は要注意!!

ネタバレ
2021年12月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ 原作を読んでいないので、このマンガが原作に忠実だと想定して書きます。視点のはこびは上手く、ヒロインの「あせび」がヒーローである「若宮」の妻になる物語かと誤解させます。私は主人公に感情移入して読むタイプなので、あせびを応援しながら読んでいましたが、最終巻でまさかの大どんでん返し!物語としては予定調和を超えた展開で、素晴らしいのでしょうが、一読者の私としては肩透かしの気分が否めません。「あせび」は最後の最後まで「良い人」としか読者に提示されておらず、人物造形の伏線がありません(事件の伏線としてはあせびのセリフがありますが)。あせびは天然なだけなのか頭がおかしいのか、最後までよくわかりませんでした。見落とした伏線がたくさんあるのかも知れませんが、最後の「名探偵・若宮」の解決は私には意外過ぎてすっきりというより、がっくりでした。恋愛ものと思って読むと失敗する良い例ですね。浜木綿視点での展開だったら、同じストーリーでももっと好きになっていたと思います。浜木綿がもう少し女性らしさを出してくれれば良かったのですが。個人的にがさつな女性がヒロインになるというのは好みではないので、それも含めて残念度が高いです(笑)。
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