えろい同居人に困っています。【描き下ろしおまけ付き特装版】
遊楽夏
このレビューはネタバレを含みます▼
●前半は、愛人(マナト)と不破先輩の過去とか、マナトがキヨカに惹かれる様子、不破が失踪したこと、女装している心情、マナトにとっても不破にとってもお互いが特別なこと、二人で遊びまくる楽しさ、でもマナトは自分はホモじゃないと言い切る、お酒が入ってのキス…など、表情のひとつからとても丁寧に描かれてます。絵も綺麗だし、すごく良い。
●中盤で、不破がキヨカとして働くバーでマナトも働くことになります。お店のスタッフから不破の乱れた性事情を聞いて、自分は何なんだろうとモヤモヤする。自分の失敗のせいで不破が媚薬を盛られて帰ってきて、マナトは「しましょう」と不破を身体で受け入れるんだけど、そこに心は伴っているのか…
●その後も誰かと寝てはキスマークつけて朝帰りなどする不破。マナトは平気だと自分に言い聞かせながら、朝食を作る…この朝食に乗せているマナトの想いが不破に伝わってなさそうなのが切ない。不破は不破で、ノンケのマナトに踏み込めない臆病者。こっちも平気なフリをしてる。
●このすれ違いを丁寧にほどいてほしかったのですが、終盤で不破の父親が出てくるんですよ…。不破が失踪した過去や人格形成に関わることだし、マナトとのすれ違いと同じくらいとても大事なエピソードなのですが、ここで出てくる?!という感じで…バタバタっと展開してしまいます。
●マナトと不破の関係も、一対一で向き合ったというよりは、父親が絡んだことで「男同士の恋愛について家族や世間に対してどう向き合うか」という切り口に変わってしまったように感じました。二人の世界で完結するより現実的と言えばそうなんですけど。
●ラスト不破と父親は直接話をしていないけど、きっとうまく話せるだろうなという予感は残してくれてます。終盤の詰め込みがもったいなかったかな、と思いました。長文になってしまいすみません…
いいね