このレビューはネタバレを含みます▼
この余利計一という作中人物が好き過ぎて、今までで、一番読み返した作品だと思う。もともと、ストーリーが抜群に上手い雁須磨子先生の作品の中でも、作中人物がほぼ漫画作家さんという、先生に一番身近な職業を扱っているので、息詰まりそうな、そのリアル感が半端ない。善人、余利くん視点に進んで行くので、彼が健気で、読んでる方も一緒に、悩んで、泣いて、恨んでするのに、宇郷さんは読めない食わせ者。憎らしいんですけど、時々、おそろしく優しくて、やっぱり魅力的。あと、初めての人というのもあり、離れては、くっ付いてする。先生の画風はよく下手ウマ(失礼!)と形容されるけれど、スネ毛のある脚四本が絡み合うモタモタ感が、この作品の焦燥感をさらに増している。