このレビューはネタバレを含みます▼
イケメンでモテモテの藍士と人見知りのコミュ障でぼっちの涼。立ち位置の違う二人を描く話は王道だけれど、この作品の涼はかなりのネガティブコミュ障で、しかもお気に入りのキャラクターのマスコットを唯一の友達にしてしまうくらいのぼっちさにビックリ。藍士が涼に目を付けた理由が分かるまでは涼と一緒になぜ? な気分だった。
ただ、涼自身は人見知りを拗らせているだけで悪い子ではないし、可愛いところもあるし、Sっぽい藍士が構いたくなるのも分かるなぁという感じ。あと、○○に嫉妬する藍士が心狭くて笑える。
従兄弟の竜一が人生何周目? と思うくらい良くできた子。藍士と涼が知り合うきっかけのマスコットも作るし、人見知りで自己肯定感の低い涼に的確で優しいアドバイスを送れるとか高校生とは思えない。涼パパも出番は少ないのにキャラが濃く、涼は身内に恵まれているから人見知りに拍車がかかってしまったのかな、なんて思った。
作者さんは続きを書きたいようで続編を読めるかもしれないのは嬉しい。藍士といることで涼のネガティブコミュ障ぼっちな部分が緩和されるといいなと思う反面、痛可愛い涼はそのままでいてほしいなと思ったりもしてしまう。
*2巻読了*
作者さんが願っていたとおり、2巻が発売されて嬉しい。BLにありがちな無印が1巻になるパターンで、電子とは言え、前作を購入した自分も続編発売にほんの少し貢献できたのかもと思うと感慨もひとしお。
続編でも涼のネガティブコミュ障ぼっちに変化はなく、《地雷》を連発しまくる姿が本当に痛可愛い。Sっけのある藍士が構い倒してしまう気持ちはよく分かる。
ただ、恋人となってもコミュ障を拗らせた涼に拒否られたり、逃げられたり、無自覚に嫉妬されられたりする藍士が少し気の毒になる。かっぱちゃんだけでなく、全方位に独占欲と嫉妬心を募らせる藍士は大変。
涼には痛可愛いままでいてほしい気もするけれど、藍士の精神衛生上、あと数歩頑張れと言いたい。
*3巻読了*
涼に嫌がらせをする輩が現れ、藍士やパリピ友達が犯人探しや涼の護衛をしてくれるけれど、輩の真意は割と簡単に推察できてしまうので少し拍子抜け。
それよりも、涼のツンツンに耐えながら溺愛する藍士が不憫に見えてきて辛くなった。