心の国のアリス【分冊版】
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心の国のアリス【分冊版】

文善やよひ

嘘を纏う孤独な世界

ネタバレ
2021年12月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「わだつみの嫁取り」「ジェン」「極夜」の世界観に魅せられて、クーポン対象の此方の作品に気付き購読。

目を見つめると相手の心が見えてしまうという不思議な能力を持つ主人公が、偶然街中で同じ力を持つマジシャンと出会い、始まる物語。
分冊1では30ページ、2では34ページで完結となっており、心が見える透視能力という設定ながらも他の作品よりも人間味が強く、気軽に文善先生の世界観を味わえると思います。
能力ゆえに現実の世界での孤独な仄暗さ。
暴かれたくなかった心の内。
Aに暴かれ、共鳴することで、上手くやるだけのひとりぼっちの嘘の世界ではなくなっていく主人公の涙の使い方がとても素敵です。
先生の描かれる作品は、どこか現実離れしているのに自己犠牲による「愛」や「生」が見え隠れしているものが多く、此方の作品もそう言った、孤独に生きてきた者の犠牲から救済され愛に向き合うひとつの生き方の様なものを感じました。
(本日までレーベルクーポン対象40%off)
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