あなたを狂わす甘い毒
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あなたを狂わす甘い毒

天衣サキ/天路ゆうつづ

悔恨

2021年12月28日
ヒロインは我儘放題で自己中令嬢だった過去の自分を見つめ直しヒーローへ浴びせた侮蔑と態度を悔やむ。
ヒーローはヒロインへの執着が常軌を逸していると自覚しながらも理由がわからない。
二度目の初夜から始まるわけですが、ヒロインは前向きに前世での惨劇を回避するためヒーローへの態度を改める。
ヒーローは信じることが出来ないままではあるが、ヒロインに起こるかも知れない惨劇を防ぎ守り、ずっと一緒に居たいと思っている。
端からみれば、ヒーローは一途にヒロインを愛しているのが分かるけど当人たちは分かっていない。
ヒロインの前世での行いは本当にひどい、分かりあおうとか歩み寄る気すらない最低な女です。
ヒーローは、ある意味ヘタレです。
前世での二人の最期は哀れですが、今世では互いに歩み寄る事もでき、愛を理解して受け入れることが出来てよかった。
ベッドシーンが回数としては多いものの、描写があっさりなので飽きずに読めました。
そう言う意味では、愛を確かめあう描写としては薄いです。
ヒーローの異母妹は、三度目の今世と言うことは一度目もヒーローを得られなかったということなのかな?。
ひょっとすると一度目の失敗をもとに二度目、三度目とヒロインを陥れていたんでしょう。
ヒーローの独白は非常に切なく、生い立ちのため愛を知らず、自分の執着の根元に気づけないことも不憫でしたし、愛される筈がないという自己評価の低さは不憫でした。
前世のヒロインはクソ女だったのに、ヒロインを求め続けたヒーロー、可哀想でした。

Webの方で後日談も読めます。
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