僕の、いばら姫
」のレビュー

僕の、いばら姫

金田正太郎

いばら姫症候群とは…

ネタバレ
2022年1月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●目次を見てのとおり、超短編のオムニバスです。「いばら姫症候群」という病が軸にあり、場所や登場人物がゆるく繋がっていたりします。短いので、各登場人物に深く感情移入するというよりは、全体を通して「いばら姫」とパートナーの生き方、悲しみや苦しさ、切なさに思いを寄せるような読み方になりました。
●色素が抜ける、たくさん眠る、低体温…など「いばら姫」にはいろんな特徴があるのですが、中でも「身体の成長が止まる」という設定が切なさを助長させています。(BL的には「時々発作的に人肌を求める」という発情のような特徴がキモなんだと思いますが…)
●「いばら姫」には歳をとらずに長く生きる人もいれば、病によって早逝してしまう人もいる。それに寄り添おうとするパートナーの覚悟も相応のものではないかと感じます。いつしか姫の身体の年齢を越して大人になり、姫だけを残して自分や周りが老いていく。まぁ…短編1本の中ではなかなかそこまで掘り下げられないのですが、何本も読むうちに考え込んでしまいました。
●絵柄も好きなのですが、登場人物がとても多いので描き分けは大変そうでした。カフェの店員さん、お医者さん、アパートの管理人さんなどは何度か出てきます。えっちのときのよだれと鼻たれはあまりない方が好きかな…いろんなカップリングを見られます。
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