流浪の月
」のレビュー

流浪の月

凪良ゆう

「事実」と「真実」は違う

2022年1月5日
発刊された直後に読んだのに、自分の考えをまとめるのにこんなに時間がかかった作品はないだろうと思う。読み出したが最後、ページを繰る手が止まらず。何度読み返したことだろうか。「なぜ?」「どうして?」誰にも理解されない苦しみが、これでもかと襲って来て息苦しくなった。昔読んだ乙武洋匡氏の「五体不満足」にあった『悪意のない同情が一番やっかい』というのを思い出した。憶測と同情で責め立てられる二人に、後半はずっと涙が止まらなかった。この作品に出会ってなかったら、私も彼らを苦しめる側の人間だろうと思う。この原作を李監督がどのような映画にするのか、今は期待と不安が入り混じっています。
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