被写界深度
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被写界深度

苑生

表紙とタイトルの破壊力

ネタバレ
2022年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙、タイトルに惹かれた方、購入で間違いありません。まさに中身もそのままの作品で、絵もストーリー構成も素晴らしいです。キャラ分けがしっかりしているので、臨場感あふれる2人の言動にのめり込みました。
それぞれが育ってきた環境の違いが早川を苦しめ、紺ちゃんに羨望、劣等感を感じながらも強烈に惹かれる様子が切なく手に取るようにわかります。2人が対峙している時の早川の様子を窺うような上目遣いも紺ちゃんの刺すような視線もたまらないです。早川のアーティスト性のあるナイーブさと見た目がドツボでした。
ーーーここからは最終章の内容に直接触れるレビューとなりますので、未読の方はご注意くださいーーー
本編最終章で2人が遠出した場面、早川が口ずさむメロディを聴いた紺ちゃんが言葉にした「屋上で聞いた事ある」に対して、「紺ちゃんをイメージしたやつ」と答えるところ、最高でした。音楽や匂いって一瞬でその時代に引き戻すと思うので、このシーンはぎゅっとなりました。それと最後のカメラと写真ですが、一番上の写真って上巻冒頭の屋上のシーンで、無意識に歌う早川を紺ちゃんが思わず撮った写真ですかね。これ制服ですよね…あぁ、なんか胸が苦しくなってきたのでこの辺でレビュー終えたいと思います。この作品に出会えてよかった。苑生先生の作品はすべて追い続けます。
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