大好きな妻だった
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大好きな妻だった

武田登竜門

先に逝くほうが一歩先を生きている

2022年1月10日
相手がパートナーでも親兄弟でも、その付き添いや介護に疲れ果てれば、もういいよ、死んでくれていいよと一度はよぎることもある。そして相手を亡くした後、多かれ少なかれそう思った罪悪感と最善を尽くしきれなかった自分を責める。でもそれは常なんだ。死を看取ることは共に過ごす時間と同じくらい重くて、ときどき持て余して捨てたくなったり、また拾いに行ったりするようなかけがいのない時間で、そこに先の希望はないけれど、決して忘れてはいけないいつかの終焉を思い出させた。
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