このレビューはネタバレを含みます▼
この作者さんの作品、何冊もつい買ってしまいます。
が、当たり外れでいうと個人的に外れが多いんです。
ヒロインの「私はこう考えている」が多すぎてうんざりしてしまうからなんですが、分かっていてもつい買ってしまうんですよね。
生まれた時から一緒に暮らしてきた主人公二人。
相思相愛ながらも、お互いそれを口にしたことがないまま、高位貴族令嬢と出自の知れぬ護衛騎士として過ごすことで気持ちを沈めてきた二人。
王妃になったヒロインは、心苦しく思いながらもヒーローのそばを離れたくない。
他の男の妻になったとは言え、それでも側に居たいヒーロー。切ないながらも一緒に居られることが二人の願い。
ヒーローの出自の謎は読者には容易に察せられます。
ヒロインたちの暮らす国って政治的にどうなの?って突っ込みが何度も浮かびます。
ヒロインの夫である国王もなぜヒロインを気に入らないのか謎。
国王の母もヒロインを蔑ろにしたりと、政治手腕もなく、なぜ優秀な宰相もいるのにクーデター起きなかったの?など突っ込みどころが多い。
ヒーローは、出自の謎が解けるとヒロインを守るために手に入れてしまう方に向かいます。
ヒロインも常識と倫理観に苛まれつつも愛するヒーローに抗えず。
やがて思いを告げ合い、って感じでした。
うーん。盛り上がった所でヒロイン父が領地から駆けつけ真実をつまびらかにしてハッピーエンド。
ヒーローsideは途中に入りますが、清廉な男が清廉さだけではヒロインを手に入れることが出来ないと理解しダークサイドに傾いていく心理を描写してるというには薄かった、
銀色の髪を暗い色に染め王宮でヒロインにかしずいていたヒーローが、地毛に戻し態度が変わっていく。
このあたりも、さらっとヒロインの感じていることとして流されちゃっていてヒーローの心情と決意の変化の描写として薄い。
都合よく国王が死んだので、ああーね、っと思っていたらエピローグで、やっぱりね、って感じでした。
うーん、ヒーローsideを増やしてヒロインのウジウジ心理を減らして欲しかったかな。
ストーリーは普通に面白く読めますが、うーん。
ソーニャ番外編でヒーローの苦悩?も垣間見えますが本編で表現して欲しかったかなー。
表紙のイラストが非常に気に入りました(笑)。