龍の執戀
」のレビュー

龍の執戀

草野來/北沢きょう

女性向け

ネタバレ
2022年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ ハードボイルド小説。TL小説にありがちな若い年齢の若頭や組長のいないリアリティ感があります。
シノギを何で得て、どうやって構成されているかなんかも現実味があります。
知人に本職がいるので、本当の意味では違いますが今まで読んだことのあるTL小説のヤクザものでは一番しっかりした作品です。
大変評価が高いのも納得のストーリー。
主人公の年齢設定が絶妙。ヒーロー37才、ヒロイン24才。子持ちの設定は正直好きなジャンルではないんですが子供をダシにせず、互いを知る要素にしていた点はよかった。
暴力的性行為シーンもあり、ヒーローの言動も暴力的な場面もあります。
ヤクザとして生きるヒーローが自分の学の無さを恥じ入ったりしながら無償の愛で子育てしているというギャップが凄い。
ヒロインは死んだと聞かされていた子供が生きていたと知りヒーローを探し当てて来るんですが、当初はひどい目にあい子供を連れて逃げるつもりだった。
ヤクザとカタギの恋と言うだけでなく、無責任な性行為の結果や、ヤクザであることの葛藤も描かれています。
ヒーローsideも沢山あってよかった!
が、ちょっと場面展開が分かりづらく、あれ?これって今、過去?となったり、登場人物の名前がイチイチ覚えづらい。毎度ルビが欲しかった(笑)。
軽い気持ちで読みたい人向きではありません。
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