夢の雫、黄金の鳥籠
」のレビュー

夢の雫、黄金の鳥籠

篠原千絵

好みのピースしか無い

2022年1月27日
作者買いです。
今回はイスラム文化に時代背景、後宮物、権力争い、その中で闘う賢い主人公など、全ての要素が大好物でした。こんなん面白いに決まっている。
内容はざっくり言うと…最盛期のオスマン帝国において奴隷上がりな皇帝寵姫が、生き馬の目を抜く後宮を舞台に、我が子を生かす道を築くため成り上がろうという勇ましい人生を描いてます。夫も恋した男も拠る辺にならない、独り母親として闘う姿がとても良いです。
ストーリーも楽しいが、自分的楽しみのもう一つは背景。街並みや建物が美しく、読み進めたいのにそれらを眺めるため時々手が止まっちゃいます。トプカプ宮殿など同じ背景の焼き増しも多いし惣領先生レベルの拘りは有りませんが、御覧じろとばかりに力の入った一枚絵を見せつけてくる点が好きです。
のちに後継を巡る兄弟間の骨肉の争い、誰が台頭するか有名なので分かっちゃってるんですけど…果たして史実に沿わせるのか?母親ヒュッレムを軸にどう纏めてくるのか、ラストを楽しみにしています。
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