君と運命についての話がしたい
」のレビュー

君と運命についての話がしたい

青梅あお

番に憧れるβ×β、切なくて愛おしい

ネタバレ
2022年1月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校の時、一瞬で恋した二人は運命の番ではなく、単なる一目惚れカップルだった。Ωバースの世界で、βの男とβの男のカップルは、ただのゲイカップルでした。法律の盾も無ければ理解も薄い、大っぴらにできにくい関係、そう言う発想がなかったので斬新で、番に憧れる普通の響と幸史郎に感情移入してしまいました。高校から交際し、同棲して10年のリーマン響と花屋店長の幸史郎。ヘタレだけど人当たりの良い響と、強気で素直になれないところがある幸史郎は、お互い一途に想いあって、穏やかで幸せな生活を送っています。でも、β同士のため、結婚も出産も出来ない、αとΩの運命の番が羨ましくて憧れます。世間的に肯定されない関係、αとΩだったら…。でも、βで、βとして、すれ違いや喧嘩があっても、ずっとお互いの気持ちや信頼をよすがに、二人で生きていく。そんな響と幸史郎が、じんわりと沁みます。Ωバース特有の、心が締め付けられるような話は一切無く、βが主役の優しいΩバースです。すごく好みでした。

「本日はお日柄もよく、」を読んでいて、こちらも購入したのですが。どちらもほぼ両想いの二人の世界、周囲も優しい人達の中で話が進むので、読みやすかったです。青梅先生の他の作品も読んでみたいです。
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