シジュウカラ
」のレビュー

シジュウカラ

坂井恵理

描いて自分を見つめるは刺さった。

ネタバレ
2022年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ シジャウカラ、本当のタイトルは「四十から」なのかな。40歳過ぎて自分を見つめ直す、自分の人生を歩くという意味かな。主人公よりも少し年上ですが。40代は30代と違って自分の老いも意識するし、若い頃とは違った1年ごとのまた違う景色をみる。親の介護をみたり、自分の老いを感じながら若さを強調したり。自分の社会的ステータスとか定年後のこととか、いろいろ考える。そしてまだ最後の足掻きのような無茶な行動も取れる。50になるまでのステップとしては結構多感かな。主人公の気持ちに共感したり、自分では考えつかないことの発想があったりして驚かされ、かつリアリティを感じます。自分も自ら離婚を申し出た立場からいうと、離婚は若い時がいい。自分も相手もね。いろいろ振り返らせてもらいました。千秋君の描いてよかったと言った時の表情が良かった。自分も当時のこと、それからのこと、仕事上の苦しかったことなど、日記とまではいかなくても書いて振り返ってみようと思いました。

そして、年齢なんて関係なくこの二人じゃなければ、という感じで物事が上手く運ぶようになってるんだよね。時期が来るというか、季節や時が巡ってくるというか、そうなるようになっているのよね。そこには運命とか必然とか、そういう言葉にあとから妙に納得させられる何かがあるのよ。巡ってくるのよね。
それにしても46歳で18歳下の男子の前で裸になる主人公に座布団1枚あげたい。その勇気と覚悟、心意気を祝福したいです。
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