このレビューはネタバレを含みます▼
作者様買いです。綺麗で切ないお話。絵が好みです。小説を読み終えたようです。時代もの、特に明治〜大正から昭和初期ものが好きでずっと気になっていた作品です。番外編が出てやっと一気に読めました。片や眼の病に罹り絶望感に苛まれている画家志望だった八岡、そして幼少期に深い傷を負い、歪んだ性癖で心の闇を埋めようとする顕文。二人が惹かれ合うのは必然だったのかも。長野での日々は甘く、切なくて、胸が苦しくなります。火事で八岡が顕文を助けに行く所の絵がとても良かったです。顕文の表情が特に。最後に八岡がいうセリフと顕文を引っ張り出す所がよかった。実直でいて男らしい八岡は頼りになるね。番外編で穏やかな日々を過ごしている二人、いいですね。修人と呼ぶようになったのね。甘える顕文を受け止める八岡に、その逆もあってラブラブな二人にきゅん。新聞を読んだ後の顕文の笑顔で胸がいっぱいになりました。二人とも過去からリセットしたスタートで希望もあるけれど何処か哀しさもあります。1巻から番外編までの二人の変化が丁寧に描かれていて、何度も読み返しています。。レトロで仄暗さが漂う、ドロドロしたお話が好きでしたらおすすめです。