キリング・ストーキング【タテヨミ】
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キリング・ストーキング【タテヨミ】

クギ

読み終わってただ呆然としてしまいました。

ネタバレ
2022年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ はじめの方はサイコなサンウが怖くてドキドキしながら読んでいました。途中なんでそこで逃げるねん罠に決まってるのに!とか分かったから一旦落ち着け!とかウジウジンに少しイライラしたりもしながら笑 でも読み進めていくにつれて先が予測出来ないストーリーにどんどん引き込まれていき、スクロールする指が止まりませんでした。ハッピーエンドは絶対無理なんだろうなと、覚悟はしていましたが読み終わった後何処か切ないような、そうかと思えば何も心に浮かんで来ないような、とても一言で表せられない色々な感情が入り混じってただただ呆然としてしまいました。私達が思う正常な愛ではないけれど、どうしようもない歪みの上で成り立っていた2人の関係性は確実にお互いにとって生きる上で必要なものとなっていたと思います。罪のない人を何人も虐殺した猟奇的な殺人鬼のサンウと、そんなサンウを愛し極限状態とはいえ1人の人間を殺害してしまったウジン、決して犯した罪を帳消しにして2人きりの歪んだ愛の世界で生きていけるなんてことは許されませんでしたが、どうしてもハッピーエンドを望んでしまうのは、そんな2人に感情移入してしまったせいですね。互いへの気持ちを確かめ合うことも出来ず、裏切られたと誤解したまま永遠の別れを迎えた2人ですが、結果的にウジンがサンウの後を追うことで、2人の約束が守られサンウにウジンの想いが伝わったのではないかと思います。無惨で理不尽で救いのない世界を描いた物語でしたが、それだけは唯一の救いだったのではないでしょうか。 とても感情の揺さぶられる作品でした。出会えて良かったです。
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