大正殉愛 金魚撩乱
」のレビュー

大正殉愛 金魚撩乱

岡本かの子/ヨシカズ

いろいろな読み方ができる作品

ネタバレ
2022年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 語られ過ぎていないので、人それぞれの解釈が出来、その時々で色々な見方ができる作品だと思いました。私はサイコパス真佐子が社会的地位も財力も失わず、金持ちの道楽が金魚だけに終わらず金魚屋にまで及び、純粋な復一をも味わい尽くす様をお見事と思いながら読みました。男女が入れ代われば現代にもよくある悲惨な不倫の話ですが、このお話では誰も何も失っていないです。それもこれも真佐子がふたりの男性の子どもを等しく産み、育て、責任を果たしているからでしょうか。それが作者が伝えたかったことだとは思いませんが、そんな風にも読めますよという懐の広い作品。
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