希うオリゾンテ【ペーパー付】
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希うオリゾンテ【ペーパー付】

星名あんじ

解釈が委ねられてる気がする

ネタバレ
2022年2月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ ●行間がふんわりしていて、(そこが魅力でもあるのですが、)解釈を読者に委ねてるお話のように感じました。なのでレビューも自由に書いてますがご了承下さい…
●湊音が神様に希ったのは、大切な大切な友だちの幸せ。渚沙の様子がおかしくて、カイトとの間が変になってるのを湊音は敏感に感じて、ずっと皆で仲良くいたいって願ったのかなと思います。それで残念な事故が起きてしまったけど…
●それをなんで渚沙は自分のせいだと思ったんだろう…?地元から逃げて、たくさん男に抱かれて、誰よりカイトに抱かれて、痛めつけられたいと思うほどに?カイトに「お前みたいな奴のせいで湊音は死んだんだ」と罵られたかった?
●でもカイトには、こんな訳の分からないことを言う渚沙が、自分に助けを求めているように見えたのでしょう。湊音の死に囚われて、生者の世界に出てこられない渚沙。抱くことで渚沙が戻ってこられるなら…と思ったのかなぁ。カイトにとってはもう、死んでしまった湊音よりも生きている渚沙の方が大事なのですね。
●カイトが呟いた「俺なら湊音を死なせなかった」は、渚沙には辛かったよね…最後に湊音と一緒にいたのが自分だという事実は動かないから。本当は、湊音にカイトを取られたくなかった。渚沙にとっても、カイトは大事な人だった。ようやく気付いて、渚沙に生気が戻ってくる。
●愛する人、大切な人、自分にとっての「神様」を手に入れて、湊音のことも区切りがついて、二人は幸せそう。でもこれからどうするのかな?渚沙は繊細な人だけど、カイトが底抜けに前向きなので救われる。二人が迷わない未来を“希い”ます。
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